【緊急特集】しつこい顎ニキビも、原因を知れば改善方法が見えてくる

ニキビ肌を克服した人だけが知っていること

14年ものあいだ、しつこいニキビと闘い続けた鶴岡悠美さん。ありとあらゆる対策を行った末、ついにニキビ肌を克服するにいたった理由とは?ニキビ肌に悩むすべての女性に贈りたい、正しい肌質改善方法をお伝えするロングインタビューです。
(取材・文/コスメニスト編集部)

第3回 顎ニキビ×改善

しつこい「顎ニキビ
私はこうして
改善しました

「なぜか定期的に、顎周りにだけポツッとできるニキビが悩み……」そんなしつこくぶり返す顎ニキビに悩む女性は多くいらっしゃると思います。なぜ顎はニキビができやすいのでしょうか?また、顎ニキビを予防するためのスキンケアや睡眠の取り方など、鶴岡さんが実践して「良かった!」と思った具体的な対策方法についても紹介してもらいました。

鶴岡悠美

正しい知識と正しい努力で、
14年間に及ぶ壮絶なニキビ肌との闘いに
勝利しました

鶴岡悠美Yumi Tsuruoka元コスメニストエディター/プランナー

大学在学時にストレスから肌荒れを起こし、以来14年ものあいだ深刻なニキビ肌に悩み続けた経験を持つ。皮膚科やメディカルエステ、数百を超える化粧品の試用など、あらゆるスキンケアを実践。前向きに肌と向き合い続けた結果、肌トラブルを克服することに成功した。

繰り返す大人の顎ニキビ、
大きな要因のひとつは「ホルモンバランス」の乱れ。

定期的に顎の周りにだけポツっと大人ニキビができてしまう原因として、
考えられる理由はなんでしょうか。

いきなり意外なお話から始めて恐縮なんですが……。実は顎ニキビは「男性ホルモン」が優位になるとできやすいんです。

顎は、男性であればヒゲが生えてくる場所ですよね。つまり、人間の体の中でも男性ホルモンの影響がとくに出やすい部位。男性ホルモンが活性化すると皮脂の分泌量が増え、毛穴に皮脂が詰まりやすくなります。女性にももともと男性ホルモンは存在しますが、男性ホルモンの分泌が盛んになると、顎周りにニキビができやすくなるんです。

男性ホルモンの分泌量が増える一番の原因は、ストレス。 心に大きな負荷がかかると、私たちの体はそれに対抗しようとして「コルチゾール」という抗ストレスホルモンを分泌します。でもこのコルチゾールには、ストレスに抵抗してくれる作用のほかに、男性ホルモンの分泌量を増加させる作用もあるのです。そのため、強いストレスを日常的に受け続けると、体内のホルモンバランスが崩れ、顎ニキビもできやすくなるというわけなんですね。

鶴岡悠美
えーっ!顎ニキビが男性ホルモンの影響だったとは、本当に意外でした。

ですよね。そして顎ニキビには、男性ホルモンだけでなく、女性ホルモンも深く関わっているんです。例えば「生理前だけニキビができる」という方は、女性ホルモンが影響しているかもしれません。生理前には女性ホルモンのひとつである「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量が増えるのですが、このプロゲステロンが多く出てしまうと皮脂量も過剰になり、毛穴が詰まりやすくなるため、ニキビもできやすいんです。

また、女性は加齢とともに、卵巣で作られる女性ホルモンの一種「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌量が減ってきます。するとそれを補おうとして「DHEA」という男性ホルモンが増えてしまうのです。

ホルモンバランスの乱れが、顎ニキビに直結していたんですね。

はい、大きな一因だと考えられます。
ちなみに、女性ホルモンの減少を早めてしまう一番の原因も、やっぱりストレス。人間関係の悩みや仕事での強いプレッシャーといった精神的負荷、オーバーワークや不規則な生活などによる肉体的負荷……。脳はストレスに対してとても敏感ですので、過度なストレスを感知すると脳機能は低下します。すると、ホルモンの分泌を促す指令がうまく伝達されず、各機能が正常に働かなくなってしまうのです。結果、ホルモンバランスの分泌量が乱れてしまうんですね。

もちろん、ホルモンバランスの乱れだけが顎ニキビの原因ではありません。 前回お話したような、マスク生活によって口や顎周りの皮膚常在菌バランスが乱れ、ニキビが発生しているケースもあるでしょうし、頬杖をついたりマフラーを巻いたりすることによる雑菌の侵入が原因の場合もあるでしょう。
また顎は、顔の中でも汗腺が少ない部位。そのため乾燥しやすく、それを補うために皮脂が過剰に分泌しやすいという、やっかいな場所でもあるんです。

鶴岡悠美

顎ニキビ改善のために知っておきたい
「NGスキンケア」と「ストレス解消術」。

では、顎ニキビを作りづらくするために
行ったほうがいい対策や生活習慣を教えてください。

実践していただきたい対策は2つです。
1つめは、「スキンケアの見直し」。スキンケアでは「“美肌菌”が心地いい肌環境をつくる」ということを意識してください。
(“美肌菌”についての詳しいお話は「第1回 肌質改善×ニキビ肌」をご覧ください)

皮膚常在菌の一種である美肌菌(表皮ブドウ球菌)には、肌を弱酸性に保ち、保湿成分であるグリセリンや脂肪酸をつくり出して肌をしっとり綺麗にしてくれる働きがあります。そんな美肌菌たちにとって棲み心地が良く、元気に活動できる肌環境をつくってあげることが、美肌への近道。
美肌菌を育てるには、まず洗顔するときに石鹸を使うのをやめること。洗浄力の高いアイテムで洗顔を続けていると、皮脂や汚れだけでなく、大切な美肌菌も根こそぎ落としてしまうことになるからです。美肌菌が減ると、肌が弱酸性からアルカリ性へと傾き、悪玉菌が異常繁殖しやすい環境になってしまいます。この悪玉菌たちが活発になると、肌を乾燥させたり肌荒れを引き起こす原因に……。
私も朝の洗顔は水のみで済ませています。さらに、洗顔後の濡れた肌をぬぐうのには、タオルを使わずティッシュを使用します。タオルに潜む雑菌や、洗濯の際に使用する洗剤や柔軟剤の成分刺激が気になるので……。
ちなみに「摩擦」も美肌菌を減らす行為なので、タオルでゴシゴシこすったり、パフを必要以上にはたいたりするのもよくありません。

鶴岡悠美

また、美肌菌は皮脂や汗を摂取して活動しているので、皮脂の取りすぎもNGです。べたつきが気になるときに使ってしまいがちなあぶらとり紙もできれば避けて、優しくティッシュオフする程度にとどめることをおすすめします。

乾燥にも気をつけましょう。美肌菌は乾燥状態の肌の上では生息できなくなってしまうからです。日々のお手入れでは保湿を重点的に行うようにし、日中でも肌がしっとりしてないと感じたらファンデーションの上からでも化粧水を塗ったり、冷暖房が直接当たる場所を避ける、日焼け止めや日傘で紫外線ケアをするなど、乾燥対策をしっかり取るようにしてください。

なるほど。2つ目の顎ニキビ予防対策は何ですか?

2つめは、「ストレスをため込まない」。

ストレスは肌状態に強く影響を及ぼします。先ほど、ストレスによってホルモンバランスが崩れるというお話をしましたが、美肌菌もストレスで減っちゃうんです。繰り返し顎ニキビが出来てしまう方、肌荒れが収まらない方は、心身のストレスが根本原因であることが多いと思います。

鶴岡悠美

でも、例えば仕事の人間関係で悩んでいるからと言って、簡単に「じゃあ転職します!」というわけにはいかないですよね。「子育てが大変」という方だって、それを放棄なんてできないですし、 几帳面だったり完璧主義だったり、ストレスを溜めやすいタイプの方が「今日から性格を変えます!」というのも大変なことです。
ストレスを完全になくす、ということはとても難しい。だから私がおすすめしたいのは、自分がリラックスできる手段や幸福を感じられる方法をいくつも知っておき、それらを日常の中で意識して実践すること。

例えば私は、自宅や職場の目につくところに花を飾るようにしています。物心ついた頃から、家の中にはいつも花が飾られていました。だからかもしれませんが、花を見ると心がふっと和むんです。 部屋の香りを気分によって替えるのもおすすめです。ぜひ、自分がリラックスできる香りを探してみてください。
質の良い睡眠を摂ることも、ストレス解消にはとても効果的。心が緊張状態にあると身体も固まるので、緩めることを意識してください。私は毎日、肺に空気をいっぱい入れて深呼吸してからベッドに入るようにしています。就寝前に、ゆっくり呼吸しながら軽めのストレッチを行うのも、リラックスをつかさどる副交感神経が優位に働くのでおすすめです。

小さなことでも、簡単なことでもいいから、「自分自身をリラックスさせる方法」をたくさん知っていることで、大きなストレスをため込まないようにできるんじゃないかなと思います。

鶴岡悠美

ニキビや肌荒れは、身体が発信している
“あなたへのシグナル”かもしれません。

最後に、ニキビに悩む女性たちへメッセージをお願いします。

ニキビとの長い闘いを経て私が実感したことは、「心と体は密接につながっている」ということ。美肌菌の増減も、ホルモンバランスも、交感神経と副交感神経のスイッチも、全て心の負荷が大きく影響を及ぼすものです。
私も以前は、ニキビが出来たら薬用クリームを塗る、ニキビ用の化粧品でお手入れする、皮膚科でレーザーを当ててもらう……。そうした方法でニキビを改善しようとしていました。でも皮膚常在菌の存在を知り、さらにホルモンや副交感神経の働きを知った今では、「何よりも心身のバランスが大事なんだ」と思うようになりました。

ニキビで悩んでいた頃の私は、かっこいいキャリアウーマンになりたい一心で、毎日とにかくがむしゃらに走り続けていました。でも20代後半で立て続けに婦人科系疾患にかかり、手術を経験。そのときになってやっと「知らず知らずのうちに一人で頑張りすぎていたんだな」と痛感しました。ずっと肌が「ちょっと休んで!」とシグナルを送ってくれていたのに、私はそれを無視し続けていたんです。

しつこい顎ニキビも、改善しない肌荒れも、それは身体が発信しているあなたへの精いっぱいのシグナルかもしれません。もしも心当たりがある方は、ほんの少しでいいから立ち止まって、心の負荷に耳を傾けてあげてほしいなと思います。

鶴岡悠美
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"最近、急に日差しが強くなり、息子と外出して日光を沢山浴びてしまったと感じても、しっかりこのCセラムプレミアムでケアするとちょっとほてって赤くなった肌が治まり、翌朝にはいつもの肌色に戻っているので、シミになるのを防いでくれているなあと感じます。 ピュアビタミンC はシワだけではなく、シミや黒ずみにもアプローチしてくくれるので、一年で一番紫外線が気になるこの時期に、シミを作らず、シワを深くせず、小鼻の毛穴も黒ずみもケアしてくれるので心強いなと思います。 使い続けることで、シミやシワなどのトラブルが起きにくい肌にしてくれる美容液だと思います。以外に頬周りの毛穴にも効いていて、毛穴の目立ち、肌のごわつきが目立たなくなってきました!"

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