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セラミド(コンニャク由来)
みなさんがいちばんよく耳にする化粧品の成分とはどのようなものでしょうか…?
このコーナーでは注目の化粧品成分をピックアップして、ちょっと専門的なお話もご紹介していきたいと思います。
記念すべき第1回目は、あのコンニャクから抽出した天然セラミド。コンニャクのぷるぷる感とお肌との関係にスポットを当ててみました。
(取材・文/コスメニスト編集部)
美肌とセラミドが切り離せないのはなぜでしょう?
コスメマニアなみなさんならきっと、「セラミド」というキーワードに興味がありますよね? 保湿といえばセラミド、セラミドといえば保湿というくらい、保湿化粧品にはなくてはならない成分として知られています。 このほかにもヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタ、ビタミンC…など、悩みや目的によって気になる成分がいくつか思い浮かぶと思いますが、 数年前まであまり知られていなかった「セラミド」も、最近になってその注目度が上がってきている成分のひとつ。 特に敏感肌や極度の乾燥肌で悩んでいるヒトであれば、セラミドが配合されている保湿クリームなどをきっと使っていると思います。
セラミドってなに?
セラミドはヒトの肌の角質層にもともとある成分で、 角質細胞のブロックを何層にもつなぎとめて積み重ねる役割を果たす「細胞間脂質」の一種。 細胞間脂質の約半分はこのセラミドが占めているため、その存在が非常に重要となってくるのです。 みずみずしいしっとりしたお肌とセラミドが切り離せない理由を理解するためには、お肌の構造とセラミドの関係を知ることが必要。 では、次にセラミドの役割について説明していきましょう。 一言で言ったら、”セラミドは皮膚を若くしてくれる成分”なのです。
その役割は「外的刺激のブロック」と「水分蒸発の防止」
ヒトの皮膚は厚さ約2ミリで、表皮層、真皮層、皮下組織の3層構造。 そのうち皮膚表面の表皮層には角質層、顆粒層、有棘(ゆうきょく)層、基底層という4つの層があります。 イラストで示したように、セラミドは皮脂膜のすぐ下にある角質層に存在していて、2つのおおきな役割を果たしています。
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ひとつ目は、紫外線・アレルゲン・ホコリといった外部の刺激から肌を守る役割。 先ほども少し触れましたが、角質細胞同士を何層にもつなぎとめている細胞間脂質(セラミドなど)により、 水分は層と層の間に抱え込まれるような構造(ラメラ構造といいます)になっています。 このラメラ構造が外的な刺激からお肌をしっかり守ってくれるのです。
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もうひとつは、肌がもともと持っている水分が蒸発しないように、しっかりとシールドしてくれる役割。 外的刺激から守り、肌の水分蒸発を防ぐバリア機能が発揮できるのは、このセラミドが十分にあるという条件が整っている場合のみ。
このような事実が皮膚科をはじめとする専門家たちから発信されるようになり、多くの消費者たちに「敏感肌対策や保湿対策には、 セラミドが欠かせない」ということが知られるようになってきました。
米や小麦に比べ7~15倍もセラミドが含まれるコンニャク
セラミドが多く含まれる食品は小麦・米・乳製品・大豆・ひじき・ゴボウなどですが、 とくに敏感肌やアトピー性皮膚炎など肌に大きな悩みを抱えている場合などは、 食品によるアレルギーの有無も考えなくてはなりません。 またセラミドは天然素材から抽出するには大変なコストがかかるため、化粧品の価格も高くなってしまう傾向がありました。
では、安全なセラミドはない?
この2つの問題を一挙に解決したのが、「こんにゃく芋」。 コンニャクには米や小麦といったセラミドを多く含む商品の7~15倍ものセラミドが含まれています。 ただ、食品であればコンニャクを食べればよいのですが、化粧品の原料として使うためには「水に溶けない」という大きな問題がありました。
そこで「水に溶けるコンニャク=加水分解コンニャク根」の開発に早稲田大学と(株)スイスロワールが産学共同開発プロジェクトを 立ち上げたのです。天然セラミドであるこの「加水分解コンニャク根」の開発経緯について、お話をうかがいました。
特許成分「加水分解コンニャク根」で、
セラミドたっぷりの赤ちゃん肌に
化粧品に要求されるテーマはいろいろありますが、究極は肌の保湿効果にあるという前提のもと、 安心安全な天然素材でほかのメーカーと差別化できる新規素材の開発に着目、プロジェクトを立ち上げました。
化粧品への応用を可能にした「加水分解コンニャク根」の開発は、2005年より早稲田大学先進理工学部と進めてまいりました。 そして、土壌菌の中からコンニャクを分解する微生物を発見することに成功し、 コンニャクが水のように溶ける低分子グルコマンナン(加水分解コンニャク根)の製造が可能になったのです。 2006年12月に特許を申請し、2010年10月に特許を取得(特許 第4596373号)した画期的な基礎化粧品素材です。
これまでは新種の発見や新製造法の発表などで特許を取ることが容易にできたのですが、 法改正後は発明や発見の「新規性」と「他を上回る顕著な効能」が要求されるため、 簡単に特許が取れなくなってきました。したがってこの特許が認められたことは、大きな収穫だったといえると思います。
「加水分解コンニャク根」溶液は、20代~40代の男女を対象に保湿実験を行ない、他に類を見ない保湿性を確保できたことから、 特許取得に必要な「新規性」と「他を上回る顕著な効能」が認められました。現在は、 特許の共同出願人でもある岡本主任研究員の指導下、早稲田大学の先進理工学部応用化学科有機合成化学専攻、 清水功雄教授の教室と共同で、さらなる可能性を探求するため研究を続けています。
※2008年5月号『フレグランスジャーナル』において、高い保湿効果や化粧品原料としての応用性について研究成果が発表されています。
乾燥肌・敏感肌対策には「加水分解コンニャク根」という選択肢
じつはもう何年も前から、皮膚科や一部の専門家たちのあいだでは、皮膚の構成成分のひとつであるセラミドこそが、 美肌のカギを握る成分であることが指摘されていました。なぜならお肌にもともと含まれているセラミドの不足が、 乾燥肌や敏感肌の大元となっていることがわかってきたからなのです。 特にアトピー性皮膚炎や深刻な乾燥で皮膚科のお世話になっている人の肌には、 このセラミドが不足しているケースが多く見受けられるそうです。
乾燥・敏感な人もぷるぷるな肌になれる!
特にちょっとした刺激や香料などにも反応してしまう敏感肌のヒトは、どのような基礎化粧品を選べばよいかわからず、 皮膚科で処方されるステロイドなど副作用の強い薬に頼るしかないケースも少なくありません。 正確にいえば「敏感肌」の原因は定かではなく、乾燥肌が極度に進行した結果、敏感肌という自覚症状に結びつくともいえるのです。
コンニャクの滑らかな表面とその艶は、赤ちゃんのぷるぷる・すべすべしたお肌そのものといってもよいでしょう。コンニャク由来のセラミド を配合した洗顔料や化粧水、クリームなどでスキンケアすることが、美肌への近道であるといえそうです。
みなさん、いかがだったでしょう?
コンニャク由来のセラミドコスメを使ったかたからは、
「肌がひりひりしなくなってきた」
「うるおいが戻ってきた」というコメントもいっぱい!
赤ちゃんのようなぷるぷるのお肌に導く、
コンニャク由来のセラミドに、注目してくださいね~
(取材・文/コスメニスト編集部)